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建設業許可を自分で申請するときに最低限知っておきたいコト

一般建設業許可

許可が得られるまでのおおよその流れを知りたい。

もしできそうなら自分でやりたい。

自分でやった場合、どれぐらいの時間がかかるのかザックリ知りたい。

行政書士として建設業許可申請のお手伝いをしてきた経験に基づいて、みなさんの気になるこんな疑問にズバっとお答えします!

まずは手引を読み込もう!

自分で建設業許可の取得を目指す場合、一番最初にするべきことは、各自治体が発行している建設業許可申請の手引を読み込むことです。

建設業許可申請の手引は、許可申請の審査を行なっている担当部署が作成・発行しているのでまずは手引を読まないと始まりません。

申請書窓口や相談コーナー(相談電話)に問い合わせても、「手引のココに書いてありますので読んでください。」と指摘を受けますので、手引に書いてることを質問しても手引を読めという返答しかこないということは念頭に置いておきましょう。

手引のボリュームですが、大阪府の建設業許可申請の手引は、許可申請の手引と変更等届出の手引と認可申請の手引の3つに分かれています。

許可申請の手引が建設業新規許可申請の条件等や記載例が載っていますので、これから許可を取得しようとする方はこの手引を読んで下さい。
⇨  『 大阪府建設業新規許可申請の手引 』

変更等届出の手引は許可取得後に必要となる許可内容に変更が生じた際に届け出ることが義務となっている書類に関する手引となっていますので現時点では読まなくても大丈夫です。

認可申請の手引は新規許可を取得するのではなく、建設業許可を事業承継や相続によって取得される方が行なう申請についての手引となっていますので、こちらの方法によって許可を取得しようと考えていらっしゃる場合はこちらの手引をお読みください。
⇨ 『 大阪府建設業認可申請の手引 』

今回の対象である大阪府の新規許可申請の手引は149ページもの大構成となっています。

かなりボリュームがあるのでまず一通り読んで見るだけでも大変ですが、自分で建設業許可の取得を目指す場合には手引きの読み込みは絶対事項となりますので頑張りましょう!

残念なお知らせにはなりますが、手引は長いだけでなく、非常に読みづらい内容となっていますので、一度読んだだけで中身を全て理解するのはなかなか難しいと思います。
そのため、「読んでください」ではなく、「読み込んでください」とお伝えしています。

「自分で申請する場合、どれぐらいの時間がかかるかザックリでいいから知りたい」という質問に対する回答は、この手引を読み込んで内容を十分に理解するのにどれぐらいの時間が必要か?という点にかなりの個人差があるのでこの工程に想定所要時間をつけることは不可能です。

実際に、「自分で申請しようと思ったけど(あるいは従業員に申請させようと思ったけど)手引を読んだけど意味がわからず読むだけでめちゃくちゃ時間がかかってコスパが悪すぎるので自分でやろうと考えるのはやめた」という相談者が多く弊社にもいらっしゃいます。

それぐらいこの工程が新規申請を自分で行なう際には一番しんどい部分となるかもしれません。

建設業許可申請書を書いてみよう!

建設業の新規許可申請のために作成しなければならない書類は添付書類を除けば約30種類で、作成枚数で言えば会社の規模によってかわりますが大体40枚ぐらいとなることが多いです。

これら30種類の書類は大阪府のホームページからひな形をダウンロードすることができます。
⇨ 『 建設業新規許可申請書類(法人用) 』

明らかに単なる書き間違いや、1文字単位のささいな誤字でも補正の対象になりますので、申請書類は相当慎重に作る必要があります。

その場で追記したり書き直したりでなんとかなるものもありますが、補正箇所が多いと窓口担当者の方に作り直してきて!と言われる可能性も上がりますし、何よりも後から自分が見直したときに結局どんな内容で申請したのかわかりづらくて困ることもあるようです。

申請時には書類のつじつまが合っているかどうかをあらゆる角度から入念にチェックされるため、適当に作ったものでは正直言って全く歯が立ちません。

「この書類によるとこうなってますがこちらの書類にはこう書いてます、どちらが正しいですか?正しい方に合わせてこれとこれとこれを修正してください」と、1つの綻びから連動して色んなところに指摘が入ります。

「自分で申請してみたら補正の数がとんでもない量になって、何をどう直したら良いのかもはやわからなくなった!」と言ってこの段階でご相談にいらっしゃる方も時々いらっしゃいます。

窓口で散々その場しのぎの適当なことを言った後では、行政書士がその後リカバリー申請に行ったとしても『前回事業主が言っていた内容(提出した書類)と全然違いますね』となり、取り返しがつかなくなる可能性も0ではありません。

無理だなと感じた場合はその時点で余計なことは一切言わず、余計な書類も出さず、大人しく引き下がることをオススメします。。。

添付書類を収集しよう!

許可申請を行なうためには、許可申請用の書類を作成するだけでなく、許可申請に添付する公的書類を収集するしなければなりません。

ということは、それにともなって公的書類収集のための申請書類も作成しなければなりません。

これらを加えると合計で50枚程度の書類を作成するというのが建設業新規申請における書類作成のひとつの目安になります。

この公的書類収集のための申請書は、建設業許可の手引きに記載された内容を間違いなく証明してくれるものを取得しなければならないため、こちらも手引を読んで収集すべき書類を理解した上で作成及び収集にかからなければなりません。

たとえば登記されていないことの証明書では、『後見登記等ファイルに成年被後見人、被保佐人とする記録がないこと』の項目が証明されているものでなければならず、他の項目が証明されているものを添付すれば当然補正対応となり、正しいものを追加提出することが必要となります。

実録、よくある失敗事例

自己申請を諦めた方のよくある書類作成上の失敗事例を参考までに一つ紹介させていただきます。

申請書類の中に工事経歴書という書類があるのですが、これは、許可申請しようと思う業種に対して十分な経験(工事実績)があることを証明するために提出する書類の一つです。

つまり、この書類は申請しようと思う業種に該当する工事を記載しなければ意味がありません。
そしてこの業種に該当する工事か否か?というのは、手引に書かれている工事区分に則った内容でなければならず、かつ、その内容であることが書面から読み取れなければなりません。

ここが大きな落とし穴になるケースはとても多いです。

例えば、『飲食店〇〇、リフォーム工事』と記載してあると、これは実際にどんな工事を行なったのかこの文言から読み解くことは出来ないため、工事の実績としては認められないということになります。

「実際にリフォーム工事をやったんやからリフォーム工事って書いて何が悪いねん!」というお声をよくいただきますが、建設局はあくまでも、許可申請しようとする業種に対して十分な実績があるか否かを書面によって判断するだけなのです。

こんなところでイー!!っとなっているようでは一事が万事、イー!!っとなることしかないと言っても過言ではないかもしれないというぐらいですw

一つ安心材料を挙げるとすれば、間違えられる回数に制限があるわけではないので、間違えた部分の書類のやり直しと役所への再申請の行き来ができれば全然問題はありません。

最悪、受理してもらえるまで何度でも何度でも無限にチャレンジできます!w
(実際には途中で、行政書士さんに相談されたらどうですか?と担当者に勧められることにはなると思いますが、強制力は無いので事実上無限チャレンジは可能です)

とはいえ、平日の日中に仕事を休んで何度も何度もチャレンジするぐらいなら行政書士に依頼したほうが圧倒的にコスパが良いです。
そうならないためには、手引を読み込んでよく理解した上で、慎重かつ丁寧に申請書類は作りましょう!

許可申請に行こう!

申請書が出来上がり、添付書類も全て揃えることが出来たら、次はいよいよ建設局へ申請書を持って行きます。

大阪府では、申請書を持ち込んで受理されてから実際の許可が下りるまでの目安(標準処理期間)はおよそ30日となっています。
※年末年始や大型連休中は含まれませんので、もう少し審査期間が延びることになります。

この30日は、あくまで目安の日数であり、かつ、「申請が受理された日から」カウントが始まります。

前項でも触れましたとおり、受理されない限りは無限チャレンジタイムに突入し、何度も修正と申請を繰り返すことになり、建設業許可を受けられる日はどんどん先へ先へと遅れてしまうシステムということです。

自分で許可申請するかどうかを再度考える

審査期間の目安が分かったところで、ここで一旦申請が受理されるまでに必要な項目を整理してみたいと思います。

  • 100ページ以上の手引きを読み込む
  • およそ40枚程度にわたる建設業許可申請書を作成する
  • 公的書類書類収集の申請書を作成し、公的書類を収集する
  • 公的書類以外の必要添付書類を全て揃える
  • 建設局に申請に行く
    (※スムースにいけばここで終わり)
  • 補正を受けた項目を修正して書類を作成、追加書類の準備
  • 建設局に補正申請に行く
    (※受理されるまでこの作業を繰り返す)

これが実際に掛かる工数となりますので、許可までのタイムリミットがある場合は特に、最低限これを踏まえて自分でやっても間に合うかどうか?ということを考える必要があります。

やってみてダメだったら行政書士に依頼する、というのももちろんOKですが、行政書士が申請したからといって標準処理期間が早まるわけではありませんし、そもそも要件を満たしていないものを申請することは出来ません。

残念ながらどうにもならないものはどうにもならないということも理解しておく必要があります。

自分で許可申請をされることは、許可の内容を事業主様自身がしっかり理解した上で今後運営されていけるということに繋がるので、とても良いことだと私は個人的には思っています。

ですが残念ながら、コスパのことを考えるとほとんどの場合が割に合わないです。
手引を読み込む時間があれば営業活動したり現場を収めた方がよっぽど利益に繋がりますし、そもそも書類仕事になれていない人がこの膨大な書類を作成するのにどれだけの時間がかかるのかが読めません。

従業員にやらせてみたけど半年経っても申請するまでに至らなかったというご相談も実際に何度も受けていますが、こうなってくるとこの従業員さんの月給が20万だったとして、半年で120万。

当然通常業務もこなしながらなのでまるまるドブに捨てているとはなりませんが、普段の半分の時間しか通常業務が出来ていなければ60万、毎日1/3程度しか許可のために時間を使っていなかったとしても、なんと40万も経費をかけたのに許可が取得できていないということになります。

建設業許可は取得したらそれで終わりではありません。
許可を維持するには制度を理解し、正しく運用しながら適宜必要な書類を提出していかなければなりません。

しかも、定期的に制度は変わります。
永続的に建設業法を勉強しながら、法改正も追いかけ、建設業許可を維持し続けることが可能な体制であれば、ご自身で申請されるのがベストだと思います。

ご自身で建設業許可を申請してみようと思ったら、そうすることが本当に自社にとって得することかどうか、一度じっくり考えてから答えを出していただければと思います。

また、自分では申請しないと決めた場合でも、建設業許可を取得してこれから大きく商売をしようと考えられているのであれば、建設業法については少しずつ学んでいかれることを強くオススメさせていただきます。

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